18日〜20日に鹿児島で日本臨床救急医学会が開催されました。
我がクリニックからは7演題を発表し、総勢10名で参加してきました。
弱小クリニックが7演題も発表するのはすごいでしょ?
そして21日はみんなで観光して夜の飛行機で帰宅しました。
21日は朝から知覧の特攻平和会館(https://www.chiran-tokkou.jp/)を訪れました。
以前にも行ったことはあるのですが、戦場に散っていった若い先人達は、未来の日本を想いながら敵艦に突っ込んで行ったのだろうなぁ・・と思います。
さて、我々は彼らが自らの命を捨ててでも守ろうとした、そんな日本に出来ているのでしょうか?
いつもここを訪れる度に、自分のプロフェッショナルさの未熟さが身にしみます。
さて、またこれからがんばろ!
マスメディアを始めとして、世の中の人達が心配しているのが「人食いバクテリア」と呼ばれる、A群溶血性連鎖球菌です。
この菌は子供の咽頭炎の原因菌として多く、そこら中に生息している菌です。
弱い菌なので、抗生物質を早めに投与すれば数日で症状が軽快します。
いわゆる咽頭炎や扁桃炎による感染が重篤化することは余り無いのですが、手足に出来た傷から菌が皮下組織や筋肉に入ると壊死性筋膜炎を発症します。
いわゆる「人食い」という状況はこの壊死性筋膜炎が広がったものです。
感染の進行が早いのが特徴で、指だけの感染だったのが数時間で腕全体の感染に・・・
その後も全身に広がって、敗血症性ショックに陥り命に関わります。
なので、傷は早めに石けん付けてきれいに洗浄・・というのが医師が勧める創傷処置なのです。
ところが、現在、溶連菌検査キットが品薄で、医療機関に入ってきません。
なので「溶連菌感染ですね」という診断が出来ない状況です。
マスメディアの方々も、「A群溶連菌は怖いんです!」ばかり報道してないで、「検査キットが不足しており、確定診断が出来ない状況です」をもっと喧伝してもらわないと!!
いくら危ない疾患だと言っても、検査キットが無ければ確定診断は難しいです。
もっと世の中に出回るように報道してください!
コロナ患者が非常に増加しています。
全国的に増加傾向(左表)ですが、我がクリニックでも最近は毎日10名程度の陽性者が出ています。
コロナもうるさく言わなくなったので、要請になっても会社に行く人、そもそもコロナの検査しない人がたくさんいますので、街中にはコロナの患者があふれていると思われます。
その証拠に、当院で要請になった方の半数以上は、「近くにコロナ患者はいなかったんですけど・・」
とおっしゃっています。
マスメディアももはやコロナでは話題にならないので、以前のようにニュースにもなりませんが、コロナの急増はもっと騒がれて然るべきと思います。
さて、世の中の医療関係で一部騒がれているのがHPV(子宮頸癌)ワクチン。
滋賀医大の学生が「HPVやワクチンについて正しい知識を・・・」というコンセプトで立ち上げたHPに批判が相次いでいるそうです。
彼らは医療に関わる者として、皆さんに正しい知識を提供しているのですが、「学生の分際で責任取れるのか?」とか「嘘つき」呼ばわりされているようです。
いや、HPVワクチンは世界中で接種されていて、明らかにリスクよりベネフィットが上回ると証明されているワクチンです。
日本はWHOからも接種するように勧告されていたほど・・・
医師としても、予防できる癌があるなら予防すべきだと思いますが・・・
批判する方々、もっとコロナの流行を騒いだらいかがでしょう?
その方が社会にプラスですよ・・・・
今年の気温は尋常では無いですね・・・って毎年言ってる気がしますが・・・
昨日、日本救急医学会が熱中症アラートを出しました。
重症度の分類は今まで軽症、中等症、重症の3段階だったのが、重症の中でもすぐに冷却しなければ命が危険である、最重症を追加しました。
そして、日中の不要不急の外出は控えてください・・とコロナの時のような言い回しで注意を喚起しました。
実際、7月に入ってから我がクリニックにも熱中症症状で来る方が後を絶ちません。
そしてその方々の多くが口をそろえて言うこと・・・「水分は結構摂ってましたけどね〜」
ヒトが普通に生きていく上で必要な水分量は1日2Lと言われています。
ご飯をちゃんと食べられれば半分程度は食事から摂取出来るので、毎日500mlのペットボトル2本を飲めば足りていることになります。
でも、ご高齢の方の多くが 「おしっこしたくなっちゃうから・・」 という理由で水分摂取量を控えています。
また高血圧をお持ちの方は医者から、「塩分を控えるように」 と言われるので、どんなに汗をかいても塩分を摂りたがりません。
ここ数日は気温35℃を超える日が続きました。
ヒトの体温調節って、外気との熱のやりとりで調節する部分が大きいので、外気が体温ほども暑いと調節も難しくなってしまうのです。
そうすると発汗で体表から水分が蒸発するときに冷えるのを利用するしか無くなってしまいます。
結果、脱水、塩分不足が起きます。
発汗は最大で1日10L以上することがあります。
そうなると12Lの水分摂取が必要になるのです。(もちろんナトリウム摂取も・・)
500mlのペットボトルを数本じゃ足りませんよね。
まずは暑い環境を避けることが第一です。
次に水分摂取。
皆さん、灼熱の夏はこれからです。
ご自愛くださいね・・・