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新型コロナ・・抗原検査?PCR検査?      2023.2.2 読売新聞ニュース

 新型コロナウイルスのオミクロン株の抗原検査(抗原定性検査)で陽性を正しく判定できる精度は、PCR検査の63%だったとする研究成果を、大阪大などのチームが発表した。抗原検査はPCR検査より安く短時間で済むため、チームの村上道夫・大阪大特任教授(リスク学)は「回数を増やせば十分に実効性がある。2週間に1回のPCR検査より、週2回の抗原検査の方が、感染拡大を抑えるには効果的だ」と話している。

 抗原検査は一定以上のウイルス量が必要で、PCR検査より精度が低いとされる。チームは、オミクロン株「BA・1」が流行していた2022年1~3月、同じ日にPCR検査と抗原検査を受けたJリーグの選手ら延べ656件のデータを分析した。その結果、PCR検査で陽性だった103件のうち抗原検査でも陽性だったのは65件(63%)だった。

 感染直後は抗原検査の精度が下がる可能性も指摘されていたが、検査時期や症状の有無は精度に影響しなかった。論文が1月30日、国際科学誌に掲載された。

 京都大の長尾美紀教授(臨床病態検査学)の話「約6割というのは想定された程度の数字。抗原検査は一般の人も手軽にできるのが長所。結果が陰性でも感染している可能性があることに注意しながら、今後も活用していくべきだろう」