医療の2024年問題

いよいよ4月から医師の働き方改革が実行されます。

今までは世の中のお医者さん達(特に勤務医のDr.)は、労働時間がめちゃくちゃな状態でした。

私、院長も勤務医時代には、月200時間を越える超過勤務・・・病院上層部から、「上原くん、今月の超過勤務は労基にケチつけられるから、ちょっと少なめで出してくれよ。差額分はボーナスで調整するから・・」と言われたものです。

院長が研修医時代には、「医師は労働基準法の適応外だから・・・」と言われて、つい最近まで信じてました。

さすがに近年、医師の過労死が問題になってきて、ようやく医師にも人間らしい生活を・・という法改正が為されるようです。

そこで4月からは、勤務医の超過勤務時間数の上限が設けられます。

 

問題は・・・地域の開業医療機関に医師を出している大病院でも上限が設けられるので、大病院が医師を引き上げてしまう可能性があるのです。

実際、大学病院って給料悪いんですけど、週に1−2日の外勤日があって、外勤(バイト)で収入を補填しているのですが、この外勤も時間外勤務に含まれるようになるため、地域の医療は脆弱になる可能性が出てきました。

 

となると、地域の時間外(休日診療や夜間診療)が出来なくなる医療機関が増えるのではないか?と言われており、地域の救急医療の崩壊につながる・・・とさえ言われてます。

 

当院も医師1名で外来と救急対応をこなしているわけで、特に救急患者さんの為に開設したクリニックなので、「外来が遅い」とか「待ち時間が長い」と言われても、こちらとしては精一杯やってるので・・・

これが4月からはさらに手が回らなくなるかもよ・・っていうことです。

 

地域の救急医療を崩壊させないために、一番効果的なのは、

安易に救急システムに頼らない

ことです。

 

3日前から具合が悪かった人が救急車を要請して受診する・・とか、昼間は仕事で受診できないから夜、救急医療機関を受診する・・とか。

コロナが蔓延していた2020年、救急車の出動は減少しました。

皆さんが安易に医療機関を受診しなくなったためです。

 

できるだけ昼間に近所の医療機関を受診するようにお願い致します。

もちろん、急変ややむを得ない場合はWELCOMEです。