皆さんは「医療機関」とか「医師」と聞くと、「すっげえお金持ち」とか「儲かって仕方ない」とかという印象をお持ちの方が多いのでしょう。
確かに医師というのを職業として捉えると、世の中の平均年収に比べると良いと思います。
しかも30代でかなりの年収・・・
でも見えない部分で損もあるんです。
たとえば退職金。
医師の多くは大学の医局(例えば○○大学内科学教室助教・・とか)という団体に所属します。
かく言う院長も、いまだに「埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター非常勤講師」という長ったらしい肩書きがあります。
大学は所属の医師をいろんな関連病院に送るのですが、長くて4−5年・・・早ければ1−2年で次の病院に転職です。
もちろん部長とかの肩書きが出来れば10年以上、1つの病院に所属することもありますが、そんな肩書きも40歳以降・・・
院長も過去最長に所属したのが前述の高度救命救急センターで8年間でした。
そして8年の退職金は200万円無かったと思います。
全部開業資金で消えました。(笑)
埼玉に来る前に福岡で働いていた病院は4年で120万円くれましたが、九州から埼玉への引っ越しでほぼ消えました。
某大企業に長年勤めたら○○千万円の退職金・・とかは、医療界ではなかなか得られません。
そして開業後は、経営者として「儲ける医療」と医師として「正しい医療」の間に立たされます。
現在の日本の保険制度は、出来高払いと言われていて、行った医療行為に対してお金が支払われるので、多少不要な検査もやったもん勝ち!なのです。
子供が机に頭をぶつけた・・・MRI やCT撮影しましょう!・・・儲かります。
でも元気に待合室ではしゃいでる子供に必要でしょうか?
診察して普通に動けて、普通にお話できて、元気なら、親御さんの元での経過観察で良いんじゃ???
ってなると儲かりません。
そう!日本では正しい医療は儲からないのです。
昨年、新クリニックを立ち上げてから早14ケ月が過ぎました。
このうち11ケ月で赤字でした(涙)。
今月までコロナ診療に対する助成金とか出るので、なんとか赤字を補填してますが、それでも移転時に8000万円準備していた運転資金(もちろん借金ですが・・)が5000万円に減った!!
このままだと2−3年後にはクリニックを畳まなければならなくなります。
なんか打開策を考えなきゃ!
美容形成でも始めようかな?
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近所 (月曜日, 01 5月 2023 08:52)
先生も大変ですね、いつもブログが面白く読ませてもらっています。ぶっちゃけトークでYoutube配信とかも観てみたいです
はるばる (月曜日, 08 5月 2023 16:55)
毎年インフル予防接種でお世話になっております。(10年超w)
コロナや風邪?とか全然ならないんで普段はクリニック行くことないんですが
他院で美容皮膚科通ってるんで
上原先生が美容系始めるなら通院したいです!