表紙にも書きましたが、インフルエンザが流行しています。
他人はみんなインフルエンザ患者!と考えていた方が良いくらいです。
全国では今週だけで210万人が感染しているそうです・・(厚労省発表)
毎週150万人が感染している計算で、12月1月の2ヶ月で1200万人が今シーズンのインフルエンザに罹患したことになります。
全人口の1割に当たります!
原因の一つには、みなさんの過信があります。
よく、「俺は今までインフルエンザなんかかかったことがないから大丈夫だ」と言っている人がいますが、ま、医者からすれば無謀・・の一言です。
確かにまだ見つかっていない遺伝子があって、その遺伝子を持っている人はかかりにくいのかも知れませんが・・・残念ながらそんな遺伝子はまだ見つかっていませんし、それを夢見るくらいなら、地球上からインフルエンザウィルスを撲滅できる薬を開発する・・というのも同じです。
まずはきちんとした予防をしましょう。
予防法で最も効果があるとされているのは、ワクチン接種です。
全世界的に証明されており、「ワクチン打ったけどかかった」というような話に欺されてはいけません。
ワクチン打った方の5割が罹患したとしても、打っていない人が8割罹患していれば効果があるのです。
今シーズンのように大流行している場合は、たった3割の差でも日本全体でみれば数百万人が予防できたことになるはずです。
実は手洗い、うがいはさほどの効果がありません。
うがいで最も効果があったのは、鼻うがいと言われる方法でした。
鼻から水を吸い込んで口から出す・・という難しい方法です。
結局ウィルスは鼻咽頭という、鼻腔の後ろの部分、ほぼ喉の上の部分に感染するので、その部分の数を減少させることで予防効果がある程度出たようです。
同じ理由で口腔や喉だけのうがいには効果が現れませんでした。
むしろ帰宅時の手洗いの方が効果的なようです。
室内はできるだけ湿度を保ちましょう。
インフルエンザウィルスは、乾燥した環境に多く存在します。
クリニック内は、できるだけ湿度>50%を維持するよう心掛けていますが、エアコンをつけると湿度が低下してしまいますね。
ご自宅やオフィスでも、エアコンを暖房に使用している所では必ず加湿器を使ったり、別に蒸気を出して湿度を保って下さい。
換気をこまめに行う事も必要です。
通常の状態で、部屋の空気が入れ替わるのには1時間程度を要するそうです。
いくら湿度を高く保っていても、もし、だれかインフルエンザに罹患している人がいた場合、咳による飛沫の中でウィルスは生き続けます。
誰かが咳をしたら、すぐに部屋の空気を入れ換えましょう。寒いけどね・・・
マスクはウィルスを通過させます。
健常な人がマスクを装着しても予防にはなりません。
むしろ風邪っぽい人が飛沫を飛散させないために、装着するべきものです。
外国では、マスクしていると「あいつは感染者だ」ということで近づかないようにするものだそうです。
たしかに女子がマスクつけてると美人に見えたりしますが・・・(マスク美人)
受験生など、絶対に罹患したくない人で、家族の誰かがインフルエンザっぽい場合は、タミフルやリレンザ、イナビルの予防投与が可能です。
実は院長はこのシーズン、毎年、診療前にリレンザを予防的に吸っているのです。
おかげで私は罹患しません。
ただし!病名が付かないため、自費診療と言うことになります。
一番安い、オセルタミビル(タミフルのジェネリック)でも5000円程度かかります。
それでも!!!と言う方はご相談下さい。
コメントをお書きください
* (木曜日, 07 2月 2019 11:33)
>受験生など、絶対に罹患したくない人・・・
これは表立ってかいてはいけないかと思いますが・・・
能書にも、
本剤を予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者
とありますし・・・
りんご (火曜日, 12 2月 2019 23:35)
どこに伝えればいいのかわからないのでこちらに書いてみます。
休診日でもなく、診察時間内にお電話してもアナウンスが流れて繋がらない事が多いですが、急に休診日になりますか?母が胃痛で夜中お願いしたい時も断られてしまいました。なんか、最近は身近な病院でなくなってしまったようで残念です。
院長 (土曜日, 23 2月 2019 12:08)
*さん
コメントありがとうございます。そしてご心配いただきありがとうございます。
基本的に予防投与は保険診療の適応外です。
いわゆる『自由診療』というやつですね。
これは患者と医師との間の契約によって成立する医療であり、ぶっちゃけ双方が納得しているならたいていのことはあり・・です。(倫理的に認められないこともあります)
で、インフルエンザの予防に関しては、家族内に患者がいて、かつ、重症になる可能性が高い方に限り保険外仕様の適応が認められています。
それ以外は適応では無いのですが、医師の判断で行えます。
< この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副 < 作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデ < メリットがあります。(日経Gooddayより抜粋)
なので、ご相談に応じております。ご了承ください。
りんごさん
当院には2回線の電話があるのですが、2回線とも同時に通話している場合は勝手にアナウンスが流れます。数分後にお掛け直しください。
また、診療時間内でしたら電話無しにお越しいただいて結構です。
時間外の場合、まずはお近くの適切と思われる医療機関をご案内しております。
そこがダメな場合はできるだけ受けるように指示していますが・・・受付に伝えます。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。