市中の薬局、薬剤師さんたち、そして日本薬剤師会に物申す

今日から『薬と健康の週間』だそうです。

今朝の新聞に半面広告で掲載されていました。

お薬手帳の重要性などを述べられていました。

 

確かに、わがクリニックに救急車で運ばれてきた患者さんのお薬手帳を見れば、その方がどんな病気でどのような治療を受けてきているかがわかります。

ちゃんと処方医の名前や薬剤師の名前も掲載されていることも多く、誰の責任でこういう処方をしたかがわかるようになっています。

 

ただ、時々、『どうしてこういう処方してるの??』と思う方がいらっしゃいます。

 

例えば、喘息の治療薬でベータ刺激薬という薬があります。

この薬の副作用には動悸やめまいなどがあるのですが・・・

 

あるおばあちゃんが、体調不良で救急車で運ばれてきました。

主訴は動悸・息切れ、時々目の前が暗くなってフラフラする・・というもの。

1週間前からひどい・・・と。

採血や心電図では異常なし。

ふとお薬手帳を見ると、ベータ刺激薬を1ケ月前から使用している。

『風邪ひいて咳がひどかった時にかかりつけの先生にもらった』

『風邪治っても使ってるの?』

『この薬で咳だけじゃなくて熱も下がったし、また風邪ひかないように予防でね・・』

さらに10日前から動悸を自覚するようになったらしい。

主治医に相談すると、『じゃあ、もう一つ薬出すわ』と言われたそうですが、出された薬はベータ拮抗薬。

『この薬飲み始めてからどうも調子わるいんだよ・・・』

私の治療は・・・『おばあちゃん、薬全部やめたら治るよ』

 

ま、賢明な読者の皆様は読めばわかると思いますが、ベータを刺激する薬と拮抗(ブロック)する薬を同時に処方されていたわけですね。

ちなみにベータ拮抗薬の副作用は喘息の誘発・・というのがあります(笑)

 

こういう処方を行う医師も問題ですが、『薬のことは薬剤師にご相談を!』とキャッチフレーズを出している薬局にも問題があるのではないでしょうか?

薬剤師が病院から独立して、市中に薬局を構え、処方箋に対して調剤&薬剤指導する・・・その意味をもう一度再考してほしいものです。

 

単に薬剤の適応条項だけにこだわるのではなく、その患者さん患者さんに合っている処方なのかをチェックできる薬剤師を求めます。

薬局での薬の説明も通り一辺倒な説明でなく、患者さんの病状や背景まで考慮して説明してほしい。

 

わがクリニックではまだ院内処方をしています。

院外処方した方が、クリニックの売り上げは増えるし、薬剤管理の手間が省けるのでいいのですが、多くの患者さんが、

『えっ?ここで出していただけるんですか?助かります〜!』

って言いますし、患者さんの負担額も院内の方が安く済みますからね・・・

その差額を払ってでも院外処方の方が患者さんの為になる・・と思わせてほしいです。

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    かいごや (金曜日, 21 10月 2016 22:20)

    先生職員の皆様お疲れ様です。

    とある眼科での話です。
    点眼がなくなる頃を見計らって受診しに行くのですが、
    お薬手帳提示しても確認もせずにその場で返されます。
    それってどうなのでしょう・・・。
    花粉症の内服治療もいたします。と掲示してあり、院内処方なのですが・・・。
    もちろん、処方内容を手帳に記載してくれません。

    逆に歯科医院では、定期受診でも期間が空いたら、薬手帳の提示を求められます。

    先生のところは、院内処方じゃないと・・・。
    近所の産科まで距離あるし、薬局の経費考えたら(笑)
    院内処方の方が、救急クリニックの趣旨にあってると思います。

    ちなみに、24時間開局している薬局、自分の市では1ヶ所しかありません。
    ※今年、県内で一番救急を受け入れたと、県に表彰された病院の門前薬局です・・・。

  • #2

    薬の件 (日曜日, 23 10月 2016 11:12)

    コレステロ-ルのお薬を出していただいて三か月、体中しびれ・いたみ・痙攣のほかいろんな症状、ふらふらし立っていることも出来ず、担当の先生に全部症状お伝えしましたが・・・原因わからず。その後、他の病院で横紋筋融解症では。薬の事前説明もなかったです。横紋筋融解症と、この時点で気がついていただけてたら・・・本当に残念です。コレステロ-ルの薬を本当に信用して飲んでいたので、まさかでした。