中学受験に合格した時、腕時計を買ってもらった。
Seikoが発売して間もない頃のデジタル型腕時計だった。
液晶で表示、スイッチが2つも付いていて、押すと表示が年月日に変わった。もうひとつのボタンは小さなライトが点灯した。
当時の値段で4万円位したので、小さな本屋を経営していた親にとってみれば、大奮発したといったところだっただろう。
その年月日の設定が、確か年の下2桁表示・・・当時はたしか75とか表示されていたはずだ。
説明書きには、2007年までのカレンダー表示が可能となっていた。
12歳の私には、2007年ははるか未来のように思えた。
だって、鉄腕アトムの誕生日は2003年だったのだから・・・
浮いて走る車、ビルとビルの間をチューブが結び、動く歩道で移動する人達、宇宙旅行、ロボットとの共存・・・・
いつの間にか2007年は過ぎていた。
実現したものもあるし、まだまだな物もある。
だが、確実に自分や周囲の人間は歳を取った。
そして、ふと思う。。。。40年後・・・自分はまだ生きているだろうか?
人生に残された時間が次第に少なくなってくる。
中途半端で死にたくない・・・死ぬとき、何かを成し遂げた充実感とともに死にたい。
最後の台詞は決めている。
独り言なら、「ああ、良い人生だった」
息子が傍にいる状況なら、映画の中で格好良かった台詞・・・
I'm proud of you.
問題は、現実の人生がそういうゴールに向かっているかだ・・・
さて、台詞に恥ずかしくないように残りの人生を生きていこう。。。
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ずーの (火曜日, 07 4月 2015 22:45)
中学受験で買ってもらった時計を、長い年月大切に取っておいた先生のご両親への気持ちが素敵です。大奮発してでも買ってあげたくなるぐらい嬉しかったんでしょうね。ご両親の先生に対する深い愛情が感じられて、なんだか暖かい気持ちになりました。なにか買ってもらった記憶がない僕にはとても羨ましいです。
先生はすでに、地位を捨て、誰もやれなかったことに手を出し社会に一石を投じました。
自慢のお父さんであり、医師でありと思いますよ。