25病院に36回断られる 埼玉の男性死亡

今日のニュースに、埼玉県久喜消防の話が取り上げられています。

1月6日に搬送先が決まらず、36回断られて茨城県の西南医療センターに搬送された時にはすでに心肺停止状態だったそうで・・・患者さんはそのままお亡くなりになったそうです。

 

 さて、このニュース・・・そんなに珍しいものではありません。

だって、昨夜も入間消防の救急車が26回目で当院に搬送してきましたから・・・

すなわち25回は断られたということで・・・

 

先ほど1月6日の要請を見直しましたが、久喜消防からの搬送依頼の電話は当院には無かったようでした。

まあ、院長的には少しほっとしました。

それとともに、ああ、一報入れてくれたら収容できたかも・・と思ってしまいます。

 

ま、内容によってはお断りする可能性もあるのですけどね・・・

でも20件以上断られていて、救命士が「ヤバいかも・・」って思ったら、それを伝えてくれれば収容しますけどね・・・

 

さあ、埼玉県がどう動くか見物ですね。

久喜消防は、「医療機関と連携をはかり・・・」って優等生答弁してるけど、そんなの昔から言われ続けていることで、全く変わってないのですから。。。。

 

行政は「県内には救急告示病院は適切に配備し、充足している」という見解です。

一昨年のさいたま市、今回の久喜市・・・さらには頻繁に起きている10回以上の収容先要請・・

一番の問題点は、現場の状況を行政が正しく把握していないこと・・・いや、そう見せかけているだけか??・・・・

国が、県が、何か有効な手を打たなければ、医療崩壊はどんどん進みます。

 

そんな中で、健康保険組合連合会は26年度の医療費をさらに削減しろと・・・

日本の医療を壊しているのはあなた達です!

まだわからないのでしょうか???

 

 

 

 


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コメント: 2
  • #1

    やっちー (金曜日, 08 3月 2013 15:57)

    国は国民を、都道府県は県民を守る義務があります。医療は差別なく、その病院の医療水準に対応できることを行うべきです。
    医療の倫理で差別がでたら、何もかも理由を付けて受け入れをすべて拒否する。今回もその例ですね。首都圏近辺の団塊世代が高齢化し、2025年には最も恐れた団塊世代の75歳以上と超超高齢社会になります。国は手を打とうとしてますが、医療現場は人材の流出やEPAが想定外な結果に終わり、マンパワー・財源共に限界になります。
    それでも追い打ちかける健康保険組合連合会、国は医療を何だと思っているんだ。命を救えない現状が、国民にどれだけ不安を与えていると思うんだと沸々と怒りが・・・・・・。
    終の棲家もなく、さまよう高齢者達(NHKで親族がいなくて施設を漂流しながら生活保護を受けていました)、彼らの思いは市町村・国などの自治体に届かない。それに自治体も重要視しない。
    埼玉県の対応には、いろんな問題を抱えているというのは、よくわかります。県も悩んでいるんだろう。けど、現場の人間が朝まで経過観察や、いったん搬送を受け入れて、適切な医療機関に転院するのもできたんでは・・・。医療者と言うより人としての倫理を疑う。そこにも経営的な問題もあると感じますが、苦痛を感じている人がそこにいるのを見過ごすのは、人として倫理観を疑います。
    長文すいません。

  • #2

    院長 (土曜日, 09 3月 2013 07:13)

    やっちーさん・・・救急を標榜している私にとっては非常に悲しい出来事です。まずは患者さんがお亡くなりになったこと・・・そして救急に携わっている仲間が、本当に救急が必要な患者さんを断ってしまったこと・・・さらには我がクリニックには要請が入らなかったこと・・・です。こういう症例を減らすために開業しているのに、また起こってしまった。。。。悔しいです。