東京医大茨城医療センターが、医療費の不正請求で保険指定取消処分となったそうです。
ま、ようするに、東京医大茨城医療センターで診療を受けると、3割負担じゃなくて、全額負担となりますよ・・ということです。
そりゃ患者さん行きたくないですね・・・東京医大茨城医療センター、大赤字になります。もしかすると潰れちゃうかも・・です。
そうなると地元自治体は困りますから、通常は5年の処分期間のところを、もう少し短めに・・・という話になっています。
さて、問題は、なぜ、大学病院がそんなことをしなければならなかったのか?です。
現在の日本の医療制度では、保険医になってないと全額患者負担なので、実質、だれもそんな病院には行きませんね。
つまり保険医を取り消されたら、通常はやっていけないわけです。
でも、国は医療費を削減する方向で毎年、減らして行ってますから、保険医を続けるためには、保健医療の枠内で黒字を出さなければなりません。
これが難しいのです!!
特に、大病院では人件費が馬鹿にならないでしょう。
そうなれば、なんとかばれにくい部分でズルしちゃお!っていうのが人情ですな。
おそらく、国内の多くの医療機関で、ちょっとしたズルしてるはずです。そうしないと黒字にできないもん。。。。
たとえば、不要な検査。
机に頭をぶつけて、両親が心配して連れてきました。
廊下を笑いながら走り回っている子に・・MRIやCTは撮影しなくたって良いんです。
でも、撮影している医療機関は山ほどあります。
不要な薬の処方。
患者さんがちょっと眠りが浅い・・と言えば、睡眠導入剤処方。
風邪でも抗生物質(ウィルスには効きません)。
ま、そんな延長上の話なんだろうな。
さて、今回のニュース。東京医大が馬鹿だったのはわかっていますが、はたして悪者は病院側だけ・・で終わっていい話なのでしょうか?
公共事業による景気活性化・・を錦の御旗とかかげ、社会福祉縮小、医療費削減を続けてきた政治に責任は無いのでしょうか?
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Naka (月曜日, 24 9月 2012 00:54)
昨夜、私の俳句の師匠(尿閉の)を連れて受診したものです。あの時は本当にお世話になりました。診察室の前に新聞の記事が貼ってあったので先生がどういう気持ちでクリニックを開業されたか知りました。夜間救急の専門クリニックという発想自体に驚き、その大変な仕事をこなしておられる先生の頑張りに感動しました。川越の市民はこんな頼もしい先生が近くにいて幸せだと思いました。 昨夜渡した名刺にある通り私は長野県の田舎の市立病院で地域医療部長をしております。専門は内科医、糖尿病なのですが医師の数が少なくて今でも当直をします。「コンビニっ受診」という言い方を私もして参りましたが先生のおっしゃる通り必ずしも患者さんが悪い訳ではないのだからこういう言葉は不適切なのかもしれませんね。 私の働く市は救急車の盥回しのない、比較的恵まれた地域で通って来ましたが、最近は近隣救急指定病院のどれもが医師不足と患者数の増加のため時に救急車を断らなければならない状況です(幸いどこかが受け皿になるので地域の外へ救急車が行くことはありませんが)。救急医療の問題をもっと利用する市民の立場で、市民自身が考えて欲しいといつも思っております。 長くなりましたが先生のような素晴らしい志を持った医師がいらっしゃることを私の地域でも大いに宣伝したいと思います。身体に気をつけて頑張って下さい!
院長 (月曜日, 24 9月 2012 01:09)
Nakaさん・・・ご所望通り個人名は削除しました。ご安心下さい。さて、師匠さんはその後大丈夫だったでしょうか?たいした治療ができず、少し心配です。
さて、日本の救急医療事情は大都市近隣ほど切迫した状態です(もう崩壊と言っても過言ではない状況です)。手前味噌ですが、その中に一石を投じたいと思って始めたクリニックなのですが・・・一部の患者さんには、救急という名前を冠する医療施設は、「診てくれて当たり前」な感覚があるように思えます。
同業者の方々からは、「よくそんなリスクの高いことやってるなあ」とか「素晴らしい」とかお褒めいただく事が多いのですが、一部の患者さんからは時に厳しいお叱りを受けることがあります。昨今の日本人には、自分が受けることができるサービスに対する感謝の気持ちや他人の苦労を察する気持ちが欠けてきているように思えてなりません。あ、これは患者だけでなく医療従事者(特に看護職)も同じです。義務を疎かにしつつ、権利だけ主張する風潮で社会全体がギスギスしているようです。
当院が敢えてコンビニ診療を行っている事で、みなさんの気持ちを少しでもホッとさせることができればうれしい限りです。
機会があればまたお立ち寄り下さい。次はコーヒーでもお煎れしますよ。。。。
仲 元司 (火曜日, 25 9月 2012 06:56)
ありがとうございます。おかげさまで師匠はその後お元気のようです。とにかく偶然立ち寄ったクリニックで救急医療のあり方について考えることができて本当によかったと思っております。先日岡山県の津山という所に招かれて救急医療を考えるシンポジウムに参加してきたのですが、先生のことを知っていれば「日本の別の地域にはこういうクリニックもあるのですよ」という発言が出来たのにと思いました。
イデチョン (水曜日, 26 9月 2012 00:33)
まずは遅くなりましたがARKおめでとうございます。
さて、お医者さんってとてもリッチなイメージでしたが厳しい面もあるんですね。
でも私の地方だけでしょうか、介護をメインにしている病院や施設はとてもリッチに見えます。地方議員達も競って介護施設を作っています。
社会保障が増える嵩むと言われていますが、介護施設(の経営者)にばかり金が流れる仕組みなんでしょうか? 一部だけが儲かり、本当に必要なところにお金が回らなくなっているのですかね。
苦労されている先生のお話と、介護施設の潤沢ぶりとを比べると今後更に大変な事になりそうで、恐ろしくなります。
さて、先生も頭良いんですからもっと稼げるよう方向転換を・・・できないんでしょうね(笑)
どうぞこのまま一途に頑張って下さい。
院長 (水曜日, 26 9月 2012 23:37)
あら、イデチョン!お久しぶりです。ARKは良かったのですが、ラリホでひっくり返りました・・・余計貧乏加速です。
さて、日本国の方針として、「病院から在宅へ」というお題目を掲げています。これは、病院に長期入院する老人が増えたために医療費が嵩むのだ・・という厚労省のお役人が唱えた説に基づいています。なので医療費には厳しく、介護には温かく・・という方針が取られてきましたが、別に入院しなくたって高齢化社会自体が社会保障費必要なんですから・・・結局、ここ数年、介護にもだんだん厳しい事になって来ていますね。
2階に上げておいて平気ではしごを外す人たちが日本の中枢にはいるのです。