もう何度も書きましたが、4月から薬の価格が下がります。
昔のお医者様のように、薬価が2000円の薬を500円で仕入れて処方する・・なんていうことができなくなって久しくなり、もはや医療機関にとっては薬価差益を得るなんて大昔にあった話になってしまいました。
今では2000円の薬は1800円くらいで入ってきますから、在庫スペースや人件費を考えたら院内処方より、院外処方に出した方が良いのです。
さて、当院は主に土日や夜間、一般の医療機関が診てくれない時間帯に診療をしていますので、なかなか調剤薬局さんの営業時間に処方箋を出すのが難しいことが多いのです。
したがって、院内処方を行っていますが、そこに今回の薬価改定・・・ほとんどの薬剤の価格が低下します。
問題は、当院が3月までの価格で購入、在庫している薬物も4月からは価格が低下すること。そう、院内に在庫薬がある医療機関は損するのです。
2月の終わり頃から、新しい薬剤の発注を控え、在庫処分を始めました。
在庫が無くなった薬剤は3月中は院外処方を主に・・・薬局営業時間以外の場合は、在庫薬で代用できるものを・・・
こうして少しでも在庫薬を減らしておかねば、診療報酬の増加分の価格なんて簡単に上回る赤字になります。(だって増加分って・・年に数千円しかないし・・)
やりくり、やりくりの日々を続け、ようやく今週、高い薬の半分くらいは在庫一掃できました。
まあ、残った分は仕方ないので赤字処方になります。
結局、世間に公表されている以上に医療機関は赤字になるシステムなんだなあ・・・・
厚労省の官僚さんは日本の医療を潰そうとしているのですかねえ・・・そうでなきゃ○○(お好きな2文字を入れてお読み下さい)の集まりだな。
彼らに任せてきて、日本の医療や福祉が良くなったという実感もないしね。
省庁に就職した頃は、「日本のために・・」「日本を改善する」とか信念を持っていたでしょうに・・・初志、忘れるべからず・・・難しいんでしょうね。
私も医者を目指していた頃の初志を忘れないように気をつけよう!
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Shio (木曜日, 29 3月 2012 00:41)
うちは院内処方やってますが、消費税も上がると確かに損になってきます。院外にすると経営的には楽ですが、患者さん負担が増えるのと患者さんがいちいち薬局に行くのは大変だよな~と迷うところです。どうしようかな~って思ってましたが、
が、↓の記事をみて愕然としました。
http://medg.jp/mt/2012/03/vol433.html
医師の技術料より処方料のほうが高い??!!
あ~~~知らないところでこんな事になってたのね~。
これってたぶん役人も知っていることですよね。
上原先生と同様に天の邪鬼の僕は、損をしてでも、逆らいたくなります。
院長 (木曜日, 29 3月 2012 10:46)
Shioさん・・誰が天の邪鬼だって????俺は正論を言ってる・・と思ってるんだけど(笑) ま、「出る杭は打たれるけど出過ぎた杭は打てない」が救命救急センター教授の教えだったし・・
厚労省は医師をどんどん増やすらしいし、ようするに医師は頭数いれば技術的な事は求められなくなって来ているのでしょうかね?
実際、一晩中、他の救急病院が受け入れなかった患者の処置/治療をして、一部の我が侭な輩からは罵声を浴びたり、文句を言われたり・・・その結果2万点程度しかないとモチベーション下がりますね。