9月8日に総務省消防局から、「平成21年救急・救助の概要(速報)」が出されました。一言で言えば、まだ救急車の出動は年々増えていて、その原因の多くは軽症の人が使うからです・・・って感じですか。
でも、その後の統計を眺めていたら、出動原因の1位は交通事故です。交通事故にあったら、たとえ軽症かな?と思っても救急車出動を要請するのが普通ですよね。良いんじゃないか?と思います。
警察庁の発表ではここ2年、交通事故による死亡者が減少していることになってます。でも交通事故の発生件数は増えてるんですよ! そのへんが救急車の出動が増えている要因になっている気がしますね。
一概に軽症患者は利用を控えろとか、コンビニ受診だ!などと利用者側に原因を押しつけるのもどうかな??と思うわけです。(まあ、そんな人が多いのも事実ですが・・・)
そして報告の締めは「ヘリコプター搬送」です。
救急利用が著しく増加しているそうで・・・そりゃそうだ。
厚労省も総務省も県も救急医学会も・・・みんなそろって、「ドクヘリ推進!」って大合唱ですから。
まあ、政治家の方々にとっては、アピールしやすいんでしょうね。
「私、○○は、県民の皆様の健康と安全について日々深く考え、××県の救急医療の将来のために、ドクターヘリ導入を推進しているのであります」とでも言っておけば、受けは良いんでしょうね。
救急医学会の偉い方々は、重症患者さんの命を救える可能性を考えてる方が多いので、行政がこっちに興味を示している間に推進しろ〜〜!!!ってな感じでしょうね。
でも敢えて提言してみたいのですが、救急車の出動件数は年間512万回。かたや消防防災ヘリの出動件数は7000件。これ以外に、民間のドクヘリ入れてもまあ、せいぜい1万数千件です。
やはり今、日本に存在している現状・・・救急車の現場到着までの時間、病院到着までの時間の短縮のためには、救急車の保有台数を増やすことが先決な気がします。
もちろん、救急医療に関わる身として、ヘリコプター搬送を否定するものではありません。重症患者さんを遠くの高度医療機関に搬送できることで、貴重な命が助かる可能性が増すわけですから・・・・。
でも、2ヶ月前から、街の救急医になった私としては、ヘリコプターにかけるお金の10分の1でも地域の消防に回してくれたらなあ・・と思わずにはいられません。
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