入試不正???

私立大学医学部の入試の合否判定が不適切だと、文科省が次々と指摘しています。

全国81大学を対象に調査して10校が引っかかったそうです。
各大学は謝罪コメントを出しています。

さて、この一連の報道で一番の問題は何なのでしょう?
・合否判定が不正だった?
・女性軽視??
・多浪生軽視?
・医学界の闇???

どうも世間やマスコミ各社の論調を見ているとこの辺りを問題視しているようですが、根本に迫る報道は皆無です。


一番問題にして欲しい部分・・・
『なぜどの大学も男子を確保したがっているのか?』
『なぜ多浪生は避けられるのか?』
を検討していません。

 

おそらく入試成績だけで選別すれば、男子より女子の方が多くなるのは目に見えています。
女子が増えると医療界は若干困るのです。(私、院長は喜びますが・・)

女子が医学界から嫌われる理由の第一は継続性でしょう。
仕方ないことなのですが、生理周期に伴って仕事の効率が変化してしまう。

あるいは結婚退職、長期育児休暇・・・女性には仕事に打ち込むには多くの障壁があります。
もちろん環境を整えれば解決可能な部分もありますが、日本がそうなるにはまだ10年以上必要です。

 

多浪生が嫌われる理由は単に勉強しないから・・・もしくは努力が足りないから・・と見なされているせいでしょう。要領が悪そう・・というのもあるかも知れません。

 

ただでさえ医師数が不足している日本。
厚労省が発表している医師数というのは、『医師免許を所持している人の数』であり、『実働医の数』ではありません。
その中にはリタイヤした高齢の医師やママになって子育ての傍ら、週に1回だけどこかの病院でバイトしている女医さんも含まれています。
実働の医師数を長期にわたって増やすには、男性医師が必要なのです。

 

国は医療費を削減したくて仕方ありません。
そして医療費削減の決め手は、医師を減らす・・なのだそうです。
今回の騒動も、女子学生を増やして、将来の医師数を減少させるための方策の一つではないかとさえ思えてきます。
結果、医療を受けられない国民が増えることで、医療費は頭打ちになる・・という国策ですかね。

 

なんで医学界はそうなんだ???という疑問はあるでしょうが、そういう世界だから・・としか答えようがありません。
あまりに環境が特異すぎるので、一般社会の常識は通用しません。
だって国が統制してる世界ですから・・・無尽蔵に人がいる中でのお話とは違います。

プロ野球のドラフトと同じと考えると理解しやすいかも・・・

その中で少しでも良い環境を作るためには仕方ないのでしょう。

 

 

そもそも医師の労働環境をきちんと見直してれば、わざわざ男子に限らなくても良かったんです。

私が研修医時代から、『医師は労働基準法の範囲外だ』とよく言われてきました。

時間外労働も月200時間程度はこなしていました。

すべて人(医師数)がいないからです。

 

文科省や厚労省の政治家や役人達に言いたい。

『何を今更言ってやがんだ!

 

 

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コメント: 5
  • #1

    かいごや (金曜日, 14 12月 2018 21:33)

    いつも思うのですが、都道府県別10万人あたりの医師の数。だと、
    都心部より、地方の方が多いですよね?
    その中の、病床区分を見ると、圧倒的に療養型病床が多いんです。
    特養や老健などの福祉施設の代わりを担ってきたのだと思うのですが、
    療養型病床を特養や老健などに転換すると、医師の配置基準が緩くなるので、
    その中の医師を埼玉県などに異動させるなど均等化した方が思うのは自分だけでしょうか?
    でも、療養型の医師はだいぶお年を召した方なので、急性期に戻れるのかという疑問も・・・。

    それと、病診連携に切り替えるのは大事だと思うのですが、
    民間の大規模病院などは、開業することを支援しているんですよね。
    病院の周りをOBで固めるという図式。
    あれもどうなのかなあ。
    川越市の隣の我が市はやたら循環器科が増えた気がします。
    だから、モバイルCCUなるDr.CarでOBのサポート兼ねてお迎えに上がっていますから。
    でも、昔から住んでいる市民からしたら、皮膚科や耳鼻科、小児科、在宅診療科の開業は大歓迎だけど、場所によっては、整外や眼科が100m間隔で開業しています。

    科目の偏在をも調整しないといけないのではないか。と思うことがしばしば。
    病院も、700床の救急病院と系列の200床未満の療養型、
    200床位の老人精神科とリハビリセンター。
    100床未満のやる気のない2次救急病院。

    もう少し、バランス取らないといけないのでは?と思う日々です。

    ※1:ちなみに大病院はインフルワクチンなくなったので、成人のみ接種終了みたいです。
    ※2:風疹交代検査した上でのワクチン無料化になりそうですね。
    ワクチンないのに、どうするんだろ。抗体検査はいくらでもできると思うけど。
    また、医師会に加入できない先生は、怒りの鉄拳出しますよね(爆笑)

  • #2

    はは (火曜日, 25 12月 2018 00:30)

    最近、夜間救急みてくれませんね。
    電話しても断られる事が多いです。
    信頼していたので残念です。

  • #3

    こぐさん (土曜日, 12 1月 2019 21:51)

    初めまして TVで先生の事が紹介されるたびに素晴らしい医療活動をしているなと感心しています。私は群馬県で呼吸器内科を専門に医療に従事しています。もう少し若ければ、勉強のために先生のクリニックで全身状態の診断と治療を修行したいと考えております。これからも先生の活動を応援しております。お体にお気を付けて。ブログを楽しみに拝見しています。

  • #4

    感謝 (木曜日, 24 1月 2019 23:11)

    最近、夜中に何度か家族が体調悪くなり電話したことがあります。
    毎回、ここではなく埼玉医科大か近くの北部医療センターとかに行ってくださいと断られてしまいます。以前院長先生は体調悪ければいつでも!とお話ししてくださりこんなお医者様がいるなんてと感激していました。方針変わりましたか?教えてほしいです。

  • #5

    院長 (木曜日, 31 1月 2019 13:28)

    皆様、明けましておめでとうございます。

    かいごやさん
    今年もよろしくお願い致します。
    医療に関する事柄は、政治家はみんな素人ばかりなんですね。
    おそらくその土地、土地の内容は、そこから出てる県議会議員が知ってる。
    でもそれをどうしたら良い?っていう内容になると、応援してくれてる医師会の先生やら、病院団体やらのしがらみがあって、なかなか根本的な改革が出来ないのでしょう。
    政治家は自分が正しいと思うことをやれば良いのにね。
    なかなか変わりませんよ。日本は・・・

    こぐさん
    初めまして。是非一度見学に来て下さい。歓迎します。

    ははさん、感謝さん
    当直事務に伝えます。最近、私の疲労を気遣って、夜中の受診を断ることが多いようなので・・・
    でも夜中に、「3日前から・・・・」とか、「○○病院でもらっている薬が無くなって・・・」は辞めて欲しいです。