救急車タブレット端末使用・・約2ヶ月経過

救急情報システム               

 

久喜の36回たらい回しされた事件を受けて、埼玉県が切り札として配備した、『タブレットによる救急情報システム』。各救急車にタブレットを配布し、リアルタイムで受け入れ病院の情報を見れるシステムです。佐賀県などでの成功事例を背景に、鳴り物入りで埼玉県に導入されました。

その導入から約2ヶ月が経過した現在まで・・・院長の感じた所を書き連ねてみます。

ちなみに導入にかかる費用はすべて税金・・・皆さんの血税がどのように運用されているか、知りたいでしょ?(笑)

 

1.      救急隊としては・・??

救急隊の仕事は変わりました。今までの業務に加えて、搬送した情報をタブレットで入力しなければならなくなりました。その手間が大変だと現場の救急隊には不評です。搬送途中では患者さんの観察・世話で余裕が無く、病院に着いたら医療スタッフに申し送りやらなんやら・・・入力できるのは消防へ帰る道すがら・・・でも埼玉県ではすぐに次の要請がかかることもあり、なかなか入力操作がうまく行かないようです。我がクリニックに搬送された患者さんの情報がシステムに反映されたのが翌朝・・ということもありました。これではリアルタイムな情報は無理ですね・・・。

救急隊の方に聞いてみたところ、多くの救急隊は、受け入れ可能な医療機関リストを参照しているようですが、どこの医療機関にどれだけ搬送されているかは見ていないことが多いようです。つまり、耳鼻科の対応できる医療機関が川越QQクリニック・・ということは判断するが、川越QQクリニックに現在何台の救急車が来ているのかは見ていない・・

2.      医療機関は??

このシステムが始まって、唯一うまく行ってるのが、いくつかの医療機関が躍起になって救急車を取り始めたことです。救急車の受け入れ台数が多い方が名簿の上位に名前が載るので、取っているようです。ただ、医療機関側の体制が変わった訳でもなく、相変わらず救急車は取っても、採血やX線撮影などの検査ができない(技師さんがいない・・)医療機関は多いです。

また、対応可能な科目の入力がリアルタイムでなく、救急隊が対応可能な病院に電話をしても、『本日の当直医は内科の先生なので診れません』と断られるケースがあるそうです。

3.      県は??

いつものように、『県はやりました!』で終わってるようですね。消防からも医療機関からもシステムの不備を指摘され始めているのですが・・ちゃんと対応してくれるのかな?

きめ細かいバージョンアップを繰り返していく必要があることを理解しているのか・・はなはだ不安です。

 

 

さて、そもそも救急の受け入れが悪い・・というのは病院選定のシステムだけで改善できる問題だったのかしら?タブレットを配ったら、埼玉県の救急車たらい回しは消える??

根本的な問題点は、医療側に受け入れる余裕が無い、あるいは受け入れようとする責任感が欠如していることが原因じゃなかった??

根本的な部分から目をそらしては問題解決には至りませんが????

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コメント: 3
  • #1

    nyar! (水曜日, 28 5月 2014 12:22)

    埼玉県庁さん、勉強不足!
    「佐賀 救急 タブレット」でググってください。

    なぜ佐賀県は成功を実感し、各界で賞賛を受けているのか。
    搬送時間を短縮し、かつ、改善を継続できているのか。
    救急隊がバンバン活用でき、受け入れ確認の電話もスムーズ、搬送側・受入側ともにストレスフリーな環境の整備に貢献した、その一端がわかると思います。
    彼らも医療資源は不足しています。今でも。
    その少なく偏在したリソースを縦横無尽に活用しようとする現場の日々の努力を認めて、サポートを図っている。だから成功できた。
    救急隊員や救急の医師が社会的な賛辞を受ける場面が少ないという認識を持ち、そこに光を当てるところからはじめた。

    導入規模だけなら、埼玉県だって評価を受けてもおかしくない。
    佐賀県のシステムと比較レビューをやるべきだと思います。(やりたい)
    億単位の税金を注ぎ込んでるんだから。
    報告書のページの6割は、救急隊と現場医師の生の声でできていないとダメ。でないと、責任回避の言い訳しか出てこない。
    活かすも殺すも、ここが正念場かと。

    上田さんへメールした方がいいのかな?
    箱モノで一杯かな... 

  • #2

    nyar! (水曜日, 28 5月 2014 12:30)

    救急隊の事後入力がタッチ何回でできちゃうか、見せてもらうといいですよ。
    サーバは都内にありますけどね。

  • #3

    かいごや (水曜日, 28 5月 2014 21:53)

    高齢者介護に従事しております。
    介護と医療との連携は必要不可欠です。
    問い合わせ結果まで入力までさせて欲しいとは言わないまでも、その時の医療・救急の分かる状況があると非常にありがたいと思う自分だけでしょうか。

    急変時に、ベットの確保や受け入れの確認の可否はともかく、協力医療機関を含め、医療機関に問い合わせを実施する。という医療連携・暗黙の了解がある以上、検索閲覧機能だけでも解放して欲しいと思います。

    県民の税金を使用しているのであれば、今の状況を情報を解放しても良いのではないかとも思います。
    可視化により、救急の受け入れ台数が市民の目に触れる事で、病院側も敏感になるのではないでしょうか。
    特に、名ばかり救急指定機関等。