おい!厚労省! おい!日医工!

小児にクループ症候群という病気の形があります。

パラインフルエンザとかインフルエンザとか数種類のウィルスの感染によって、犬が鳴くような「ケン!ケン!・・」という咳をし始めるのです。

場合によっては呼吸が苦しそうに、呼吸毎に息がヒューヒューと聞こえることもあります。

冬場から春にかけての夜中に多いのですが、6月といえど、まだこの疾患でやってくる子は結構います。

このような状態の子供には、薬の吸入をしたりしますが、欧米の論文などではステロイドという薬を投与すると症状が治まる・・と書かれています。

日本にはデカドロンエリキシルという名前のシロップが発売されており、長いことクループの子供にはこの薬が処方されてきました。

 

もともと万有製薬という会社が作って売ってきたのですが、2011年に万有が合併吸収されてMSDという外資製薬メーカーになりました。

この機に、デカドロンエリキシルはジェネリックナンバー1の日医工という会社に権利を売却されたようです。

2012年・・・デカドロンエリキシルはクループ症候群が適応外扱いとされました。わざわざ適応外って書かれるということは、効果があるわけで・・・厚労省はその効果があることを知っている上で、保険適応外に指定したのです。

それを「へへ〜っ」と受け入れる日医工も病に苦しむ人を助ける医薬品メーカーとしてどうよ?

 

きっと厚労省としては、医療費を抑制したいために薬の適応外を増やそうとしてるんでしょうな。

国が率先して病気を治さないようにしているのです。

 

大飯原発の再稼働も同じですが・・・国民の健康、気持ちの安定をないがしろにして、経済効果だけを正義として追求する・・・・馬鹿な国です。

 

苦しんでいる子供の患者のためには使わざるを得ないよね・・・また赤字の原因が増える・・・・(ToT)

 

 

 

 

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コメント: 7
  • #1

    あなたの隣に乗る美女 (火曜日, 12 6月 2012 17:56)

    ご無沙汰しております。
    まさに先日、息子がクループで夜間救急に駆け込みました。吸入して、点滴でステロイドも入れてもらいました。
    シロップが適応外ということは、点滴薬はまた別ということでしょうか?

    夜間の呼吸困難、とても怖かったです。いつものゼーゼーヒューヒューとは全く違うレベルでした。
    厚労省の偉い人たちには、子供とか孫っていないのでしょうかね?
    政治家の人たちって、愛する家族がいないのかな?それとも想像力がゼロなのか?としか思えませんね。

  • #2

    細島 (水曜日, 13 6月 2012 14:44)

    政治家もあまりわからずにやっているのでしょう。許されることではないです。何のためにそれらの制度があるのかに立ち返るべきです。

  • #3

    院長 (木曜日, 14 6月 2012 22:49)

    あなたの隣に乗る美女さん・・・・良い名前ですね(笑)  シロップも注射薬も適応外になってます。医療費節減!役人はそれだけを考えて仕事だ!と思ってるんでしょうね。。。。当院は結構医療費削減に努力していると思うんですけど・・・そういう所は見てくれないんです・・・

  • #4

    院長 (木曜日, 14 6月 2012 22:52)

    細島さん・・・やっぱり日本の政治って、やりっ放しで、自分達が決めた事に対しての評価がうまくできてないと思うんです。きちんと評価できてればいろんな部分がもっと良くなると思うんですけど・・・生活保護の件とかも・・・

  • #5

    細島 (火曜日, 19 6月 2012 08:57)

    PDCAサイクルということが全くできていないのが日本の政治ですね。計画して、やってみて、評価して、修正して・・・ということを当たり前にやらなければ、いつか問題が噴き出すに決まってますね。穴が空いたら、ちょっとふさぐということでは何も解決にならないですからね。

  • #6

    昔の教え子 (金曜日, 29 6月 2012 04:30)

    こんばんは。
    ちょっとエリキシルが保険的鴎外とは恥ずかしながら知りませんでした。。

    データとしては、H23年なので、先生の情報より若干古いかもしれませんが、
    厚労省も、デカドロンのクループへの使用の保険適応外の書類を見付けました。

    http://www.gifuyaku.or.jp/drug/tekiougai20110928.pdf
    http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110929S0010.pdf

    これをみると、査定されない様な気がしますがいかがでしょうか?

    また、エリキシルだと量が多くて大変なので、
    デカドロン錠(0.5mg)を粉砕して単シロップに飲ませる事が多いです。

    子供のクループは本当に生死を分ける事も多いので、
    大変ですよね。。。。 お疲れさまです。

  • #7

    院長 (金曜日, 06 7月 2012 18:56)

    おっ!昔の教え子さん・・・良いものを提示してくださいました。これいただきます。まあ、いままで査定されたことはないのですが、製薬会社のMRさんに聞いて調べてもらっても、「クループ症候群」だとだめで、「喉頭浮腫」だと通るそうです・・・あほですね。